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by 切腹ザムライ  at --:-- |  スポンサー広告 |   |   |  page top ↑

およげ たいやきくん



毎日 毎日 ぼくらは鉄板の上で焼かれて

いやになっちゃうよ

ある朝 ぼくは 店のおじさんと

けんかして 海に逃げ込んだのさ




なぜだろう 身体が動かなかった

あれよあれよという間にドアは閉まり

僕は見知らぬ街を通り過ぎる


いつもの駅でおりる

たくさんの人々

本来の僕があの波のなかを泳いでいくのを横目で見ながら

僕は その駅を見送った



三つほど駅を過ぎたところで迷いは消え

僕は携帯の電源を切った

ネクタイをとり どんどんすいていく電車の座席に座る

反対方面へと向かう電車はあいかわらず満員だ

車窓はどんどん田舎の風景をうつしていく

心が真っ白にあらわれるよう・・

海だ!

僕は迷わず そこの駅で降りた

さっきみえた海まで ここからそう遠くはないはずだ


はじめて泳いだ海の底

とっても気持ちがいいもんだ

おなかのあんこは重いけど

海は広いぜ 心がはずむ



砂の感触 どのくらいぶりだろうか・・

僕は砂浜を見ると 迷わず靴を脱ぎ捨てていた

駆け出す心に追いつこうと 足は徐々に歩を速め

最後には全速力で走り出していた


そういやぁ 学生のころは

毎年一回は海に行くんだ とか言ってたっけなぁ

社会人になって三年目 気づけば全力で走ることもなくなってたんだな

海に向かって ちょっと走っただけで悲鳴をあげた身体に

そんなこと気づかされるなんてな

情けない ははっ

海岸にいた犬に 僕は親近感をおぼえて

なにか餌をあげようと思ったけど

なにも持ってなくて たばこしかなくて

ここでたばこを吸ったらどんなに気持ちがいいだろう と

僕は自由を吸い込んだ


桃色サンゴが手をふって

僕のおよぎをながめていたよ



あんなに毎日長く感じていた一日は あっという間に過ぎて

海に沈みゆく美しい夕暮れを見送ったあとで

僕はようやく 今日が終わろうとしていることに気がついた

電源を切ってあっても 存在感を弱めない携帯電話を

ポケットからカバンの奥へと移し

僕は少し考え そして宿をとった



「いやいや この時期はどこもがらがらですからね

まぁ いつまででも気の済むまでゆっくりしてってください」

ドラマのキャスティングででもあるかのような

雰囲気あるおばあさんにそう案内され 僕は部屋へたどりつく

温泉もあるらしいし おいしい海産物も食べられるそうだ


僕は 温泉でゆっくりしたあと いつもよりかなりはやい夕食の席についた

ほかに客は誰もいなく 食堂となった大広間は

ほぼ僕の貸切状態だった

そしてでてきた料理の豪勢なこと!

これでこの値段だったら 定期的に来てもいいな

目移りしながらも やはり一番の存在感をほこっている

イセエビにまず箸をのばす

なんてしあわせなんだ

僕はすべてを忘れて そのエビを

その自由を口いっぱいにほおばった



「かかったわぁ!!」

ババァが叫ぶと同時に口のなかいっぱいに痛みが走る



いちにち およげば ハラペコさ
めだまも クルクル まわっちゃう
たまには エビでも くわなけりゃ
しおみず ばかりじゃ ふやけてしまう
いわばの かげから くいつけば
それは ちいさな つりばりだった
どんなに どんなに もがいても
ハリが のどから とれないよ




がばっ!そこで僕は目覚めた

身体が汗でびっしょりだ・・遠くでたいやき屋の音がする

はぁ・・なんだ まだ十二時か

ズル休みなんてするもんじゃないな ちょっと寝ていたいから なんて

僕らは永遠に自由になんかなれないんだ と

この夢はきっと そういうことなんだろう

背負って生きるしかない

その重みを 感じなくなるくらいに鍛えるしか


「あ、はい、もうちょっと眠ったらだいぶよくなったんで

今からいけます はい いえ ほんとにだいじょうぶですんで

はい すいません では」


不安を打ち消すように 僕は会社に電話をいれていた

さて がんばるかな



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テーマ: 一生懸命ガンバってます☆ -  ジャンル: 日記
by 切腹ザムライ  at 19:25 |  ハードコア・ストーリーズ |  comment (0)  |  trackback (0)  |  page top ↑
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