夕凪 真心ブラザーズ

こんなはずじゃあない人生を捨てに

海へ来た

青からむらさきへ自然にうつりかわっていく空に

自分の人生への深い隠喩を見たようで

僕はずっとその場にたちつくす


止まった時のなかで暮れゆく太陽


涙がでる

誰のために なんのために


夕凪の海は 全てを許して

僕を優しく包みこむ


「去ってゆく人達とも

つながってるのさ」

あの日自殺したあいつが、むかしつぶやいた言葉がよみがえる


僕は僕を 君を 世界を

大切にしよう〜♪

うみべを走る子供がうたう大人の歌にはっとわれに返り

僕は ちょっとだけうみべをあるいてみることにした


「すごい行列ですね」

僕は並んでいる人のなかでも

一番話しかけやすそうなおじいさんを選んで話しかける

「なんじゃ、天国の扉が

おまえさんにも見えるのかい?」


「ええ、本当に美しい場所ですね

僕も、時の終わりには

こんなに気持ちのいいところで

死にたいもんです」


その海は大きく優しくて 圧倒的に死だった


現世に対応できない反動で死を美化していく

コミケピーポーやビジュアル系近辺の人々のポエムを


その少女漫画的な死の表現の全てに

「ちょっとおおげさかもよ」

と微笑む

それくらい ありのままに

そのままの 死だった


「うむ、いい表情をしとるわい、にゃむっ

この列の最後に並んでいくがいい」


言われて見てみると

天国の扉へと並ぶ行列の人々の顔は

全ておだやかで

゛見えている゛顔をしていた


ここで扉を開けられるのかな


扉を開けてでていく

それはすごく魅惑的な提案だった

けど・・・でも


「いえ、でもやっぱり僕はまだ」


「ふぉっふぉっふぉっ

大丈夫じゃよ

あの扉は誰にもあけられはせん

開けるためじゃなく

並ぶためにあるんじゃ

開かない扉に並んではじめて

許されてることを知れる


この美しい世界を

より美しく感じるために

並んでいくがいいわい、にゃむっ」


その老人の気持ちのいい笑顔が

夕焼けににじむ


「忘れた笑顔は取り戻せそうか?」


ここに来る前に同僚にかけられた言葉

宗教的なまでに美しい海をみながら

僕はその夕暮れの空に微笑んだ


涙がとまらない
テーマ: ひとりごと -  ジャンル: 日記
by 切腹ザムライ  at 01:17 |  ミュージック・ストーリーズ |  comment (3)  |  trackback (0)  |  page top ↑

テレビとITの融合

「いやぁ、やったな!裕一

シナリオ大賞だってよ、すげーじゃねぇか!

これで将来は約束されたみてぇなもんだな、おい

くやしいけど、やっぱおまえはすげぇよ

俺たちのぶんもがんばってくれよな、な

俺はさ テレビでおまえのドラマが放送されたらさ

ビデオにとって友達皆に自慢してまわるんだ

それが俺の新しい夢さ・・

だから 俺たちのぶんまで ほんと、がんばってくれよ な」


「ありがとう、皆のおかげだよ、本当に」


「でも、この賞をとったってことは

自動的に○○テレビでドラマ化されることが決定済みなんでしょ

よかったわね

だって、裕一くん、うちの学校に入学したときから

ずーっとこのシナリオを書いてはなおし、書いてはなおししてたもんね

その努力が実ったってことだよ」


「そうだね、ありがとう。たしかにこのハラキリロマンスは

僕の人生でもっとも時間をかけたシナリオだし

だからこそ、評価されてとてもうれしい

僕、がんばるよ!

絶対さ、この世界で生き残ってみせるんだ」

「裕一君ならきっとできるよ、ね、皆」




「いや、しかし、それでは話がめちゃくちゃに」

「いやぁ、だから、そこをなんとかするのがキミの仕事でしょ?

昨日のネット上の評判みたでしょ、きみも?

きり子と直哉が別れるのは気に食わないってコメントがほとんどだったじゃない

もうハラキリロマンスは見ないっていう意見だってかなりあったし

そんなことになったら大変でしょ?」

「いや、二人はよりを戻しますが、それは最終話で」

「いや、だからぁ、誰もそこまで見ないっつってんの

最終話でよりを戻したって、そこまで見てもらえなかったら

いっしょでしょ?ね、だから

次の話の最初でよりを戻す感じで、大急ぎ書き直して

そのよりを戻すってとこを 予告でばんばん流すからさ

ほんと、せっかくここまで順調にきてたのに

あんなにはやく別れちゃ、そりゃおかしいよ

皆も見なくなっちゃうって 当然だよ」

「いや、でも、よりを戻したあとはどうするんですか?

もうそこでこの話、終っちゃいますけど・・」

「だから、それこそネットを使ってさ

視聴者の声を取り入れていけばいいわけよ

別にきみが考えなくても 皆が考えてくれるんだから

楽なもんっしょ?」

「えっと・・すいません

この脚本は、僕がずっと18のころから・・」

「いやいや、そういうの ききたくないから

ていうかさ きみ なんか勘違いしちゃってるよね?

あの賞にさ 書いてあったでしょ?

著作権とか もろもろの権利はテレビ局に帰属するって

もうね このドラマはきみのものじゃないわけ

いい?そもそも きみは書き方も考え方も古いんだよね

これからの時代っていうのはさ テレビでもなんでも

ネットを使った双方向性の時代なわけ

きみみたいなさ 一方的に自分の物語を押し付けようなんて

おこがましいんだよね

それでさ 数字下がっちゃったらどうするの?

きみがスポンサーに責任とれんのかい?


どこでもあたりまえにやってることなんだよ

韓国ドラマだって ハリウッドだってそうだよ

まずはお客さんに見てもらって

で お客さんが望むようなシナリオに書き換えていくの

この国は遅れすぎてたんだよ いままでがさ

当たるかどうかもわかんないドラマをどんどん作ってさー

ギャンブルの域をでなかったからね 本当に

やっと時代に追いついたんだよ この国も

まぁ きみはまだまだ追いつけてないみたいだけど(笑)

これからのシナリオライターはさ

こう 視聴者の意見をすぐ取り入れて

フレキシブルに対応していける才能こそ 必要だと僕は思うな

きみは あれだよ

小説でも書けば?

まぁ 誰も読まないけどね

あんな一方通行な古臭いメディア

うちのキャッチコピー きみも知ってるっしょ?

「あなたが作るドラマ ○○テレビ」だよ

視聴者は 自分が参加できるってことに

おもしろさを感じてくれてるわけ

だから 別にきみの脚本とか ぶっちゃけほとんど関係ないのよ

視聴者は 自分でドラマを作っている感覚に酔ってるわけだから

自分の意見がドラマに反映されているかもしれない って

それを楽しみにドラマみてくれてんの


だから もう あれだよ

いやだったらさ おりてくれちゃっていいよ

続きはさ 誰かもっと時代に適した才能の人に書いてもらうからさ

いっぱいいるんだよ 今 そういう人が

きみは あんま向いてないんじゃないかな」

by 切腹ザムライ  at 18:07 |  ハードコア・ストーリーズ |  comment (1)  |  trackback (0)  |  page top ↑

はっぴーばれんたいんでー

「おいおい、おまえ、誰にチョコあげんの?」


「えー、やっぱ優子ちゃんかなぁ・・おまえは?」


「俺はやっぱともちゃんかなぁ・・おいおい、見てみろよ

みかちゃん、なんか今日 化粧気合い入ってね?」


「ばっかおまえ、それ言うならかなちゃんだってよぉ

ほら、いつもよりアクセ関係、ばっちりキメてんじゃん」


「かぁ〜、やっぱチョコがほしいのかねぇ・・

自分で買えばいいのに、ははっ」


「いやぁ、やっぱ欲しいんじゃねぇのぉ?

ほら、みてみろよ、ブス崎まで なんか今日

髪の毛巻いて来てねぇ?」


「うわっ、ホントだ、気色悪っ!

誰がおまえなんかにチョコやるかっつーの!

キモいんじゃボケぇ、色気づいてんじゃねぇよ」


「どうする?ブス崎がさ、チョコ欲しさに

放課後ずっと残ってたりしたら?」


「うわぁ、怖ぇ、それ笑。

田中は誰かにチョコあげんの?」


「いやぁ、僕は誰にも・・・」


「そっか、あんまいい女いねぇもんな、うちのクラス」


「まぁ、そういうわけじゃないけど・・・でもさ

あげる人がいないっていうのも

寂しいもんじゃない?」


「あぁ、わかるー!女子とかさ

もらえない娘の気持ちにもなってみなよ とか言ってるけど

あげる人がいないっつーのも 寂しいんじゃボケ!

て思うよな、ホント」


「でも、俺、バレンタインって好きだなー

なんかさ、こう

偉くなったような気がしねぇ?」


「あぁ、わかるわかる、なんかさ

選別する側の優越感、あるよね

俺たちに選んで欲しくっておしゃれしてくる女子とか見てっとさ

なんか、俺の牧場で飼ってるメスブタって気がしてくるしね

あんな賢そうな顔してても 意外に馬鹿なんだな、って笑

だってさ、あきらかに今日に照準あわせて

美容室行って髪切ってくる娘とかいるじゃん

そんな金あんならチョコ買えるだろ、て思わね?笑

たかが1000円くらいのチョコ欲しさにがんばるって馬鹿みてぇじゃね?

おまえは終戦直後の子供かっつーの!笑



おぉっ、今日のセレナちゃんはまた一段と

気合が入ってますなぁ、ごらんよ皆さん」

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by 切腹ザムライ  at 22:55 |  ハードコア・ストーリーズ |  comment (3)  |  trackback (0)  |  page top ↑

投資家的恋愛ドラマ

「ほんと、今回の株安にはやられましたよ

いままでやってきたぶんが崩れ落ちたし

そのショックで 会社でもなんか やる気でなくって

うつろな目をしてたら 課長からも やる気ねーならくんな!

て言われるし・・・

もう 株が下がっただけじゃなくて

俺の男としての株も下がりっぱなしですよ はは

なんか、あれっすよね、金がなくなると、人って

自信もなくなるもんなんですね・・・

俺はいままで、なにを勘違いしてたんだろ、って

いままでの自分が恥ずかしいっすわ」


「そう、たいへんね・・

男としての株も下がってる か・・

ねぇ 知ってる?

わたしって 押し目買いの達人なのよ」


そういうと 彼女はそっと僕にくちびるをよせてきた・・

僕はその夜、自信を取り戻し

彼女の押し目買いを成功させた




テーマ: 伝えたいこと -  ジャンル: 日記
by 切腹ザムライ  at 01:50 |  恋愛関係 |  comment (4)  |  trackback (0)  |  page top ↑