2007/12/28
十代の見る夢
もしかしたら 僕には羽があったのかもしれない
少年は あいかわらず真っ暗な空を見上げながら思った
あの日 むしられなかったら
ここを飛べたのかな
少年の親は 追い風の時代に生まれた
好き放題に生き 追い風の中でやりたいようにやった
そして ある日突然ピタリと風はやんだ
少年の親は 自分たちもふくめて
まわりがひどいことになるのを目の当たりにして
追い風のない世界の怖さを知った
少年にだけは 地に足をつけて生きさせないと・・・
この子はこれから
この追い風のない世界を 生きていかないといけないのだから・・・
少年の親は 少年に
「とにかく世界をナメてはだめだ
世界をナメるとひどいことになる」と教え続けた
失敗しないこと、それだけが成功であり
それが人生の意味なのだ、と
両親は自分の失敗を目の当たりにして、説いた
世界は怖いところだ
レールをはずれれば 想像を絶する恐怖が
おまえを おまえの人生を飲み込むだろう・・・
空を見るな
夢なんてない
このレールを 永遠に歩くことだけが
世界からなんとか自分を守る方法なんだ
世界をナメるな
大変なことになるぞ
少年は 否定の言葉を一身に浴びながら
恐怖の中で育った
隣の子供が ほめられながら育つのを見て
とにかくバカくさいと思った
その子に向けられる両親の可能性に満ちた言葉が
とにかくうっとうしかった
「おまえにそんな可能性があるわけないだろ?
親もろともそろって バカだな
世界は甘くないんだよ
そんな浮かれ気分だと ひどい目にあうぞ」
少年は 果てしない地平までかすむレールを
はずれたら恐怖の世界が待っている そのレールを
想像しながら思った
人は なぜ生きるんだろう?
耐えろ!耐えろ!我慢するんだ!!
それが「がんばる」ということなのだから・・
この程度の「がんばり」ができないようじゃあ
世界からひどい目にあわされるぞ!!
がんばるんだ
人生は 重い荷物を背負って 長い坂を上るようなもんなんだ
人は なぜ生きるのだろう・・・
生命の神秘を学ぶ保健の授業で知ったのは
僕らは 一億分の一の確率で生まれてきたのだ ということ
一億分の一のはずれくじ
ものすごい確率で・・僕は うまれてしまったのだ
いつしか少年は「死」にとりつかれるようになった
永遠に我慢し続けるくらいなら
死んだほうがマシさ と
どんな否定の言葉も届かない死の圧倒的な無
・・・リセットできる、という魅力
どうやって生きても、人生はつらく長い旅だ
まるで見てきたように、少年は世界の暗さ、社会の厳しさを知っていた
少年はすれ違った
レールの外で 楽しそうに笑っている十年後の自分に
レールをおりた僕が レールの上の僕に言うんだ
このやり方でも 生きていけるし
きっとしあわせになってやるぞ ってね
三次元の空は飛べないかもしれないけど
一次元的な直線よりは 二次元的な広がりのある空間が
俺は好きなんだ
と
小学校の屋上から地面へと向かう高速の旅
重力に招かれながら
少年はレールの外で笑うもう一人の少年と出会う
自分には描けなかった、レールの外の世界
レールからはずれて生きる自信はなかったし
レールからはずれて生きることよりは
死ぬことのほうがずっと身近で、たやすいことのように思えた
少年は静かに目をつぶる
「どうか、生まれ変わりなどありませんように」
それが 少年の最後の願いだった
少年は あいかわらず真っ暗な空を見上げながら思った
あの日 むしられなかったら
ここを飛べたのかな
少年の親は 追い風の時代に生まれた
好き放題に生き 追い風の中でやりたいようにやった
そして ある日突然ピタリと風はやんだ
少年の親は 自分たちもふくめて
まわりがひどいことになるのを目の当たりにして
追い風のない世界の怖さを知った
少年にだけは 地に足をつけて生きさせないと・・・
この子はこれから
この追い風のない世界を 生きていかないといけないのだから・・・
少年の親は 少年に
「とにかく世界をナメてはだめだ
世界をナメるとひどいことになる」と教え続けた
失敗しないこと、それだけが成功であり
それが人生の意味なのだ、と
両親は自分の失敗を目の当たりにして、説いた
世界は怖いところだ
レールをはずれれば 想像を絶する恐怖が
おまえを おまえの人生を飲み込むだろう・・・
空を見るな
夢なんてない
このレールを 永遠に歩くことだけが
世界からなんとか自分を守る方法なんだ
世界をナメるな
大変なことになるぞ
少年は 否定の言葉を一身に浴びながら
恐怖の中で育った
隣の子供が ほめられながら育つのを見て
とにかくバカくさいと思った
その子に向けられる両親の可能性に満ちた言葉が
とにかくうっとうしかった
「おまえにそんな可能性があるわけないだろ?
親もろともそろって バカだな
世界は甘くないんだよ
そんな浮かれ気分だと ひどい目にあうぞ」
少年は 果てしない地平までかすむレールを
はずれたら恐怖の世界が待っている そのレールを
想像しながら思った
人は なぜ生きるんだろう?
耐えろ!耐えろ!我慢するんだ!!
それが「がんばる」ということなのだから・・
この程度の「がんばり」ができないようじゃあ
世界からひどい目にあわされるぞ!!
がんばるんだ
人生は 重い荷物を背負って 長い坂を上るようなもんなんだ
人は なぜ生きるのだろう・・・
生命の神秘を学ぶ保健の授業で知ったのは
僕らは 一億分の一の確率で生まれてきたのだ ということ
一億分の一のはずれくじ
ものすごい確率で・・僕は うまれてしまったのだ
いつしか少年は「死」にとりつかれるようになった
永遠に我慢し続けるくらいなら
死んだほうがマシさ と
どんな否定の言葉も届かない死の圧倒的な無
・・・リセットできる、という魅力
どうやって生きても、人生はつらく長い旅だ
まるで見てきたように、少年は世界の暗さ、社会の厳しさを知っていた
少年はすれ違った
レールの外で 楽しそうに笑っている十年後の自分に
レールをおりた僕が レールの上の僕に言うんだ
このやり方でも 生きていけるし
きっとしあわせになってやるぞ ってね
三次元の空は飛べないかもしれないけど
一次元的な直線よりは 二次元的な広がりのある空間が
俺は好きなんだ
と
小学校の屋上から地面へと向かう高速の旅
重力に招かれながら
少年はレールの外で笑うもう一人の少年と出会う
自分には描けなかった、レールの外の世界
レールからはずれて生きる自信はなかったし
レールからはずれて生きることよりは
死ぬことのほうがずっと身近で、たやすいことのように思えた
少年は静かに目をつぶる
「どうか、生まれ変わりなどありませんように」
それが 少年の最後の願いだった

」とかまで言ってくれる



